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弥生 豆ごはん
台処歳時記
堅めの豆はたっぷりと
 白いごはんが好きなので、混ぜごはんはあまり炊かないのだが、豆ごはんだけは特別 だ。季節になると、5、6度も造(こしらえ)る。えんどうと名のつく豆はなんでも好きで、あんみつならぬ 豆カンに豆大福、うぐいす餡にも目がない性質(たち)ゆえ、春先だけの豆ごはんには「今のうち」と気がせくようだ。青々とした豆のかおりは、冬を越したあたたかな、春の畑を思わせる。ス-パーには、年明けから早々と鹿児島の豆が並んでいるけれど、身辺がまだ寒いあいだは、不思議と炊く気も起こらない。日差しがぬ くんでくるとようやく、手にとる気持もわいてくる。

 豆は買ったらすぐさま堅めに茹であげ、強めの塩水に浸けておく。豆の歯ごたえをのこすため、いっしょには炊き込まない。豆を引き上げた浸け汁と酒を少々、そのぶんだけ米を炊く水を加減し、小さな昆布も一切れ入れる。炊き上がったら昆布の代わりに豆を加えて蒸らしせばもうできあがり。青々ときれい仕上がる。かんたんなのも気軽に炊ける理由のひとつ。

台処歳時記
花見弁当にももってこい
今年もさっそくこしらえて、悦に入っていたところ、本棚にある水上勉の「精進百撰」をぱらぱら繰ってはっとした。私のつくる豆ごはんは、豆がせいぜい1割ほどだが、そこに出ている「えんどう豆のご飯」には、「精進の王者」という名に恥じず、青い豆が4割方もたっぷり入って、主役を張れる堂々の趣だ。思わず「負けた」とつぶやいて、ふたたび豆を買いに走った。豆はたくさん、堅めに炊くべし。炊きたてはもちろんのこと、ちいさく俵に握って花見なんかの弁当にもぴったりだ。豆ごはんには卵料理がよく合うので、出汁巻き卵に蛤の潮汁、菜の花の辛し和えでも添えれば、春らしいもてなしの膳にもなろう。
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アサリとスープで マカロニを入れて主食にも
 

 味の濃い旬のグリーンピースは、サラダやスープにも重宝だ。とくにアサリと炊いたスープはうまい。オリーブオイルでニンニク、玉葱、アサリを炒め、豆を加えて10分ほど煮るだけ。手のかからぬ春野菜のよい香り、ぞんぶんに味わおう。


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