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卯月 蕗の炊き合わせ
台処歳時記
春を味わう筍、山椒のとりあわせ
 春先からどの八百屋にも青々とながい姿をのべる蕗(フキ)。子どものころはちっとも好きでなかったが、大人好みのあわい苦みは、何度でもお膳にのせたい春ならではの香りを放つ。

 下準備が手間なようだが、あんがい時間はかからないので、思い切って一束買ってみてほしい。あたらしいほど香りも色もまさるので、葉や切り口をよく見よう。
 大きめの鍋にあわせて切りそろえ、塩をまぶして板ずりしたら、たっぷりの湯で色よく茹でて水にとる。包丁を使ってスルスルと皮をむき、色が変わらぬようふたたび水に浸けておく。

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くずれやすい腹子の扱いはていねいに
 ほろ苦さとかるい歯ごたえは独特ながら、かさばるわりに主役を張らず、ほかの素材を引き立てる。なんといっても筍、ワカメとの相性にかなうものはあるまいが、筍の旬を待つあいだ、いろいろに使いたい。

 なかでもいいのは魚の子とのとりあわせ。鱈(タラ)はそろそろ終わりだが、鯛(タイ)でも鯖(サバ)でも生の腹子ならなんでも結構。お互いのくせの強さがうまく引きあう。腹子は竹串で血をしごき出し、たべやすく切ってうすい塩水に浸けておく。昆布だしに酒、みりん、薄口しょうゆでうすめに味をつけ、臭み抜きに生姜の千切りも加えて腹子を崩さぬように入れ、炊きあがるころ5センチほどに切った蕗をくわえて5分ほどで火を止める。蕗は色がかわりやすいので、うす味で、煮すぎないのがコツである。

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やわらかい高野豆腐と蕗の歯ごたえは好対照
 鶏の腿肉なんかともよく合うし、干しいたけの出汁で高野豆腐と炊いてもうまい。八幡巻き風にうすい牛肉を巻きつけて、つけ焼きといくのもいい。筍と炊くならもちろん昆布と鰹節の出汁で。新ワカメもそろったら、別 鍋にとった煮汁にしょうゆとみりんを足して、若布だけ味を濃いめにつけて盛り合わせる。蕗にたけのこ、新ワカメに山椒が出そろう自然のめぐみを味わおう。

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きれいな葉っぱは佃煮に
 おおきな葉っぱもきれいなら、佃煮ふうに炊いてもいい。塩をくわえてさっと茹で、たっぷりの水に2,3時間さらしてアクを抜く。筋をとってみじんに切ったら酒しょうゆとひたひたの水、梅干をいれて弱火で煮詰めてできあがり。春の香りでごはんもすすむ。


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