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和雑貨 翠 TOP
> 台処歳時記 目次 > 長月
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| うぐいす色がきれいな餡は、淡白なのでたっぷりと |
この夏はひさしぶりに枝豆をせっせと食べた。野菜はなんでも鮮度がものをいうけれど、枝豆というやつは、とりわけ日を越すと味ががくんと落ちるので、まいにち八百屋に通えるしがない身こそのささやかなゼイタクだ。まいあさ枝つきを買い込んで、板の間で豆をもいでは熱さをこらえて固めに茹であげ、たっぷり塩してうちわで扇ぐ。茹でたてよりも、なぜだか冷めて塩がしみると旨くなる。欲をいえば、新潟の代表品種、茶豆がほしいところだが、ここ関東近県で採れたものでも案外いけて、近いところのものほど旨い。やはり銘柄よりも鮮度が大事ということだろう。
秋茄子や松茸が出回りはじめ、枝豆もそろそろ終りだが、食べ収めにひとふんばりしてずんだ餅をこしらえた。ずんだといえば宮城県、東北では当たり前に家でつくるというけれど、扱いが面倒なのか、和菓子屋でもデパ地下でも、余所では滅多に見つからない。ずんだ餡好きは全国的に潜在している気がするのだが。
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| つるつると滑る豆は摺るというより突き潰す |
4人分で莢つきの豆を250グラムほど。やわらかめに色よく茹でて、冷めないうちに莢から出したら一粒ずつ甘皮も剥く。右手で莢から出した豆を左手でつまみ、つるりと剥いて摺り鉢へ。このあたりを辛気と思わず調子よくたのしむのがポイントだ。甘皮は取り残しても、摺っているうちに剥けてくるので心配無用。 まっ青な豆が剥きあがったら、すりこぎで突き潰すように磨りつぶす。はじめのうちは豆が滑ってあっちこっちへ飛びやすいので、あれば大きめの擂り鉢で。ベタベタになるまで潰すには、多少の力と根気が要るので、ミキサーならば楽ちんだ。滑らかにしたければ、もうひとふんばりして裏漉しにかけ、粒々がお好きなひとは、いい加減で止めておく。 さとうを大匙3と、とろみを出すのに水あめを大匙1ほど加えたら出来あがり。水あめをふやせばとろりとするし、さとうだけなら固くなるので、こちらも好みで加減する。
この季節なら、餅は白玉粉やだんご粉を丸めて茹でれば簡単だ。餡もつめたく冷やして夏のおわりのおやつにも、お月見にも目先が変わっていいだろう。白玉はすぐに固くなるので、お月様にはゆっくりお供えできないが。
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