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和雑貨 翠 TOP
> 台処歳時記 目次 > 神無月
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| 栗は虫がつきやすいので、収穫後一日したら早めに蒸して |
彼岸をすぎて、朝晩が涼しくなると、日が暮れるのも早くなる。もくもくした夏の雲に代わり、うす雲が流れては去る。つかの間の夕焼けがきれいに映えて、どこからか木犀の香が漂ってくる。秋の兆しはいろいろあれど、なにより心ときめくものは、八百屋にならんだ栗の実だ。イタリアでは今頃になると、街角に焼き栗を売るおじさんが現れて、紙を三角に丸めた中に熱々の栗を入れて売る。こっちでいうと石焼芋みたいなものか、秋が来たなと思わせる姿であるらしい。
今年の栗は出来がよいのか、出始めから手ごろだという。栗の見分けは容易でないが、重みがあって艶がよく、先っぽがとんがったのがいいそうだ。和洋の菓子もおいしいけれど、そのまま食べればいちばん季節を味わえる。イタリアのおじさんみたいな石焼きが一等甘いそうだが、家ではちょっと難しいので、蒸してはせっせと食べている。一緒に買った栗のうちでも、きいろくてほっこりしたのやあんまり甘くないものもあり、当たり外れがいろいろだ。たくさん蒸したら冷蔵庫に入れておき、毎朝5粒ばかりずつ金網で焼くのもこの時季のおたのしみ。うっかりしてパーンと爆ぜると、台所中に細かい実が飛び散って、後の始末が事なので、よく気をつけてじっくりと焼く。強火で焼くなら皮に切れ目を入れれば安全だ。栗にはイタリアの安い蒸留酒、グラッパだとか、辛口の白ワインが合うけれど、朝のミルクティーとも相性がいい。
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| 栗の大きさもお好みで |
お次はやっぱり栗ごはん。皮むきの時間と元気さえあれば、ほくほくのが手軽にできる。皮がやわらかくなるまで蒸して、熱いうちにどんどん剥いてゆく。冷めると固くなるので、鍋からすこしずつ出しては剥くとよい。栗用のハサミでガシガシやると、多少は楽だがやっぱり指には胼胝ができる。
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| 市販の雑穀パックなら混ぜて炊くだけでにぎやかに |
もち米で炊けばおこわに、ささげ(小豆)を煮てもち米を浸して炊けば赤飯に。うるち米と混ぜればちょっと軽くなる。さいきんは雑穀も簡単に手に入るので、いろんなので試してみるとおもしろい。きいろい粟をすこし混ぜればよりもちもちに、小豆や黒豆が入ると歯ごたえが出て色目もよくなる。玄米ならば滋味が増す。お酒と塩をすこし足して、栗をのせて炊くばかり。きのこを混ぜて醤油味もいいだろう。一度は炊きたい秋いちばんのごはんもの。
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