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如月 山ウドの炒めもの
台処歳時記
旬のみじかいタラの芽は揚げるだけでなく炒めても
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みどりの芽先が多いほどうれしい山ウド
 立春を過ぎてなお雪崩の被害がつづくかたわら、小春日めいた陽気がふいに訪れて、浮かれていると冬の寒さに逆戻り、三寒四温というけれど、春はすんなりやっては来ない。それでも日脚はすこしずつ長くなり、梅の花もほころびだして、寒さにちぢんだ身をほぐすようなやさしい香を漂わす。そうなると鍋物だとかおでんはそろそろ食べ納め、ひと冬たっぷりお世話になった大根や葱、白菜に代わって春野菜に目が移る。

 山ではきっといろんな緑が雪の中から芽吹いているのだろうけれど、町なかでかんたんに手に入るのは、ウドやタラの芽、フキノトウなど。なかでもウドは東京特産の数少ない野菜のせいか、ここ関東ではしばらくゆっくり楽しめる。寒いうちから芽を出して、11月から2月に出回る寒ウドと、 3月から5月に芽が出て出荷される春ウドとに分かれるそうだが、芽がきれいに緑いろした山ウドは、姿もかおりも春らしい。
 ごわごわした皮を剥くと、みずみずしい白い地肌が現れて、シャキシャキした歯ごたえと、淡い苦味が独特だ。野菜のくせにまな板や包丁がじっとりと脂じみるほどアクが強いので、生ならさっと酢水にさらしてワカメなんかと酢のものに。太めに切って味噌とぽりぽり齧るのもいい。サラダや味噌汁もいいけれど、皮ごと炒めるクセの強さがたまらない。

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ウドの歯ごたえが残る程度にパパっと炒めて卵でとじる
 毎年決まってこしらえるのは、豚肉と厚揚との炒めもの。ウドは厚めの短冊で、豚のこまぎれと5ミリくらいに切った厚揚、ほかには筍、きのこ、人参など、ありあわせの野菜も加え、香りづけに生姜もちょっぴり、醤油でうすく味をつけ、ごま油で炒めて食べる。卵でとじると食べやすく、彩りをよくするなら炒り卵をあわせてもいい。
 ウドの芽の緑のところは揚げもの向きだが、しっかり炒めればだいじょうぶ、生では喉がイガイガするような強いえぐみが油でころりと旨みに変わる。たくさんあるほどきれいだし、タラの芽やフキノトウもあればいっそう香がいい。ごはんがすすむ食べごたえ、陽気がよくて、おなかの空いたとき向きだ。定番の天ぷら、きんぴらもよし、焼ソバや野菜炒めもウドや菜の花で春の味に早がわり。






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