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和雑貨 翠 TOP
> 台処歳時記 目次 > 皐月
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| 出始めのしっかり締まった豆に向く |
春は豆のおいしい季節。えんどう豆にはじまって、絹さやにスナップえんどう、それからいよいよそら豆だ。絹さやなんかは中国産が年じゅう出ていて季節感も薄れてきたが、さやまできれいなみどりいろした国産は、甘みもかおりもひと味ちがう。値段もちょっと張るけれど、鹿児島あたりのやわらかいのが出盛るのをじっとこらえる甲斐はある。せっかく家で食べるなら、和食にしろ洋食にしろ、旬のうまみを日々なにかしら使いたい。
さやの豆でもそら豆は、あまり輸入されないせいか、出回る時期もみじかくて、初夏へとむかうごちそうだ。ひときわ目をひく大きなさやも、つい手にとってみたくなる。持ち重りがするけれど、さやつきをひと笊買ってもむいてしまうと一握り、あれっというほど嵩が減る。むいたのを買ってしまえば計算違いはないものの、さやから出すと水気がとんでかおりも甘みも落ちるというから、できればさやごと求めたい。
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| 黒ずみがなく、ツヤとハリのあるさやを見極めるのが第一歩 |
爪をたててぽこりぽこりとむく豆は、なるほど白い綿にしっかりと包まれて、しっとり水気を含む。もちろんさやでも古くなってはおしまいだ。頼りになる八百屋でも、店先に並べておけば、天気のいい日は夕方にはもうしんなりしてしまうもの、陽気がいいと、買い物ひとつもうかうかしてはいられない。
5千年もの昔から、チグリス、ユーフラテス川沿いで作られていたというそら豆も、そのまんまの塩茹では、いかにも日本の食べものだ。大きくてもすぐに茹るので、きつめの塩でさっと茹で、硬さをたしかめすぐ引き上げる。ビールのあてにもってこいだが、皮をむいてうす甘いだしで煮いても目先がかわっていいものだ。
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| 初夏の晩酌に。すっきりした日本酒に豆の甘みがよく似合う |
昆布とカツオのできれば一番だしをとり、だし1カップに塩小さじ半分、さとう大さじ4杯ほどでうっすらと味をつけ、皮をむいたそら豆を入れて煮立てたらすぐ火を止めて、そのまま冷まして煮含める。硬くてはいけないけれど、やわらかすぎてもうまくない。お皿に盛ったらだしも張り、針しょうがをとめてできあがり。生姜がきいて、品のよい味になる。今晩はお吸い物という日など、ついでに作ればたいして手間もかからない。ビールというよりお酒に似合う一品だ。
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