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冬瓜と新れんこんの梅サラダ
台処歳時記
大小さまざま、愛嬌のあるかたち
 うるさいような蝉の音も、いつの間にやら落ち着いて、朝晩の風が久しぶりに心地よい。

 夏のおわりに知人のところへ遊びに行ったら、家の裏手に6、70センチほどもある冬瓜がごろごろと転がって、野菜と思えぬ異形であった。9月までが旬というのに冬瓜というその名の由来は、緑色の皮がいたく丈夫で、冬まで保存がきくからという。なるほど硬さはかぼちゃみたいで、剥くのに少々てこずるが、白い中身はほとんどが水分というのだから、よくできた皮である。

 自慢の皮も、切ってしまえば実のほうはすぐに傷んでしまうので、八百屋でいちばんちいさいやつを選んでも、かさばる割に日持ちがしない。味のほうもなんだかはっきりしないので、これまで横目で過ごしてきたが、この夏はひときわ暑さがこたえたせいか、身体を冷やすという効能につられてちょいちょい買ってみた。

 いろいろに試してみると、くせがないのも裏を返せばいろんな素材とウマが合い、使い勝手はわるくない。鶏ガラのスープや出汁をしっかりとった味噌汁は、冷たくしてもおいしいし、肉なんかと炒め煮すれば、うまみをたちまち吸いこんで、芋みたいに見えて口当りはふわりと軽い。件の知人のお宅では、鶏と干ししいたけで大ぶりに煮てもらったが、この組み合わせも定番だろう。家に帰って真似してみるのに、似たような面構えの青パパイヤも炒めてみたら、すっかり見分けがつかなくなって、瓜らしい水っぽさと、パパイヤのねっとりとした食感との当たり外れが一興だった。

台処歳時記
さわやかな色と口当り。大きさをそろえて切るのがコツ
 しかし冬瓜の持ち味は、ほのかな瓜臭さと皮を剥いた翡翠のような緑いろ。海老や蟹との含ませ煮などいかにも映えるし、生で食べてもわるくない。糠床に漬けたりすれば、たちまち失せるはかない色とその香り。塩もみをして、きゅうりの代わりにサラダや酢の物に重宝だ。ぎゅうと絞るとおもしろいほど水が出るのでほどほどに。夏の間はゴーヤ−なんかと合わせたが、今なら旬の新レンコンがお薦めだ。

 シャキシャキと歯ざわりのよい新レンコンは皮をむいて薄く切り、さっと湯に通して冷ます。冬瓜も皮を剥いて薄く切ったら塩をする。軽く水気をしぼった冬瓜とレンコンを、梅干入りのドレッシング(叩いた梅干1個分に、さとうとごま油小さじ1、だし大さじ1に酢を2杯ほど)で和える。レンコンと冬瓜を同じくらいの薄さにするのがうまさのコツ。穴のあいたレンコンの白さ、冬瓜のうす緑に梅の赤、自然の妙に感じいる色合いだ。目にも舌にもさっぱりとして、肉料理や秋刀魚に添えてもいいだろう。

 


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