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あまがし
台処歳時記
甘い押し麦と小豆のあんに、白玉をまぜた琉球料理
 あじさいがおおきく咲いて、初夏の陽気が肌をさす。そうめんや生ビール、おやつには、つるりと冷たい白玉がつくりたくなるこの季節。いつものぜんざい、みたらしもよし、今回はちょっと趣向をかえて、沖縄で旧暦の子どもの節句にこしらえる、「あまがし」をおすすめしたい。麦と豆をきびざとうであっさりと煮て、白玉といっしょに食べる。それぞれに相性がよく、とろみのついた甘い麦もちょっと意外なおいしさだ。

 4人分で押し麦と小豆を半カップずつ。はやく煮えるよう、小豆は一晩水に浸けおき、いちど茹でこぼしてアクを抜く。押し麦は2時間ほど浸けおいた水を切り、茹でた小豆とあわせたら、新たに水4カップを足して中火にかける。沸騰したらとろ火に落とし、アクをとりつつ20分ほど、小豆がやわらかくなるまでじっくりと煮る。小豆が煮くずれないよう、さいごは余熱で仕上るほどに加減する。火を止めてから黒砂糖150〜200gを加え、蒸らして溶かし、アクを除く。黒蜜を使うとアク取りの手間が省け、色も濃くつややかになる。好みの甘さになったところで、仕上に塩をひとつまみ。

 白玉1カップに砂糖小さじ2を加え、4分の3カップほどの水を少しずつ混ぜて耳たぶくらいの硬さにこね、まるめて熱湯で茹でる。砂糖を入れると、時間がたってもかたくなりにくい。浮き上がって2分ほどで冷水にとり、冷めたらすぐに水を切る。冷ました麦のあんとあわせて、好みでしょうが汁を添えて供する。

台処歳時記
麦と小豆はできれば水に浸けおいてから、弱火でじっくり炊きあげ る
 沖縄では、小豆(アカマーミー)よりも緑豆(オーマーミー)をつかうのが一般らしい。また白玉のかわりにタピオカを入れる例もある。タピオカは、宮廷料理でも用いられ、首里や那覇の上流家庭で台湾から取り寄せた、晴れの日のデザートであったとか。日本の白玉と中国のタピオカ、あまがしというおやつひとつで、海をへだてた島国と大陸をつなぐ琉球料理のおもしろさ。

 子どもの日らしく、あまがしには、魔除けになるといわれる菖蒲の葉をスプーンがわりにするという。代わりに葉しょうがなんかを添えるのも、香りと青みが涼を添え、ちょっぴり南国らしくなる。

 麦と豆に米のおだんご、腹持ちもよく、さとうきびの風味もやわらか、子どものおやつにぴったりだ。ゆで小豆を使えばもっとかんたん、黒米や粟のはいった雑穀を好みでまぜればより複雑な味になる。水と砂糖の加減次第で、甘さはもちろん、さらっとしたお汁粉ふうにも、とろりと煮詰めたあんにも変わる、応用自在な白玉の沖縄流。


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