着物の生地を染めるために使われる伊勢型紙。本来は染色のためのものですが、文様を彫刻刀で彫り抜いた型紙自体の美しさが、近年は工芸品としても評価されています。
この房州うちわは、実際に染めに使われ、その役目を終えた伊勢型紙が使われています。
固く耐水性のある伊勢型紙をうちわに加工するには、通常の工程のほかに、さらに特別な処理が必要で、その手間ひまは三日間にも及ぶのだとか。
さらに、紗の張られている型紙をうちわに貼るのも、相当の集中力を要することは、想像に難くないでしょう。
「うちわを貼る作業は、他に何も用事がない日を選んで、時間をたっぷり取ってきちんと向き合わないとできない」とおっしゃる宇山まゆみさん。その言葉も大いにうなずけます。
光にかざしたとき、型紙とうちわの骨が透けて見える陰影は、まさしく日本の美。
「伊勢型紙」と「房州うちわ」二つの伝統工芸の融合をお楽しみください。
【房州うちわについて】
房州うちわは南房総で育まれ受け継がれてきた、千葉県を代表する伝統的工芸品。
良質の女竹を用いた、丸柄(持ち手)と、精緻な「窓」が特徴です。
房州のうちわづくりには21工程あり、そのすべてが手作業。
うやま工房さんでは、竹の採取から仕上げに至るすべての工程を自分のところでまかなっています。
竹の収穫時期まで、うちわにするのにふさわしい時期を選び、房州の伝統工芸としての矜持を大事にされているうやま工房さん。その真髄はやさしくしなる竹にあります。
ぜひ風を扇いで、うちわの自然な涼しさをお楽しみ下さい。
(持ち手の裏側に竹の斑点があります。自然素材ゆえ、ご了承ください)
【DATA】- サイズ
- 約175mm×約240mm 持ち手含んだ高さ375mm
- 素材
- 布、竹
- ラッピング
- ギフト包装C(無料)にて承ります。(箱はございません)